日盤切替の問題

陰遁陽遁のサイクル:
日の十干十二支九星
で、切り替わりの現在のルールを述べました。

しかし!

これはズレます。ズレを放置すると、遠い未来、今の冬至付近の切り替えが、夏至付近の切り替えになることもあります。ざっとやってみると、半年以上前にずれこむ事もおこります。冬至切り替えが立春付近まできて、さらに超えて、ぐるっと一周なんて時もあります。
前述のルールを述べた投稿では、ここまで言及していません。計算を簡単にするために固定して考えています。実は、離れた過去や未来を計算するとズレが大きく出ます。あてにならないのです、本当のことを言えば。

このズレをどうするかは確定していません。未来の人類に丸投げです。

実は、天象学会の『萬年暦』の1905年(明治38)と1915年(大正5)の動きがイレギュラーです。
なぜ調整を入れたのか、なぜこの値に決定したのか、理由不明です。今年で100年。伝承が残っていません。


1905-12-20七赤
1905-12-21七赤
4020日経過 (4200 - 180)
1916-12-22七赤
1916-12-23七赤

どうです?素敵でしょう?全くわからなくて。

A.いつどれぐらいズレるか?

現ルールに基づくと、何がどうしてどれぐらいズレるか、みてみましょう。
解決策を未来に託すためです。私の代では無理でしょう。

A1.前提

前提①: 地球の1太陽年の日数: 365.24219XXXX で、前後する。
前提②: 1年の日数は、整数化せねばならない。年数も同じ。
前提③: グレゴリオ曆の閏日の発生: 400年間で100回未満にする。97回にしている。
     ex. 西曆1〜400の時、西曆100年、200年、300年は平年。西曆400年は閏年。
       なお、西曆に0年、0世紀はありません。
前提④: 干支は60のサイクル。
前提⑤: 干支九星は180のサイクル。
前提⑥: 通常は「甲子」(60干支の、1番目)で陰遁陽遁を切り替える。
前提⑦: 切りかえを調整する時は「甲午」(60干支の、30番目)で切り替える。

意外に多いですね。

A2.case1.400年間で考える

理解しやすいように、1〜400年の400年間で考えてみます。(400年はグレゴリオ曆の閏の基準期間)

(a).日数 = 400 * 365 + 97 = 146097日(∵閏年97回)
(b).8400のサイクルの回数 = int(146097 / 8400) = 17回。
(c).8400のサイクルの合計日数 = 8400*17 = 142800日。
(d).(c)が何年ぶんに相当? = 142800 / 365.2422 ≒ 390.973

(d)の時にぴったり冬至なり夏至なりがきていれば問題ないはず。
整数化して考えると、391年でぴったりならラッキー。
だが現実はズレがあります。
391年でぴったりではない。ぴったりになって欲しい時に、何日ズレているか?をみてみます。

(e).391*365 + (97-3) = 142809日。
   ∵391年間 → 潤になる年400年、396年、392年の3回はこない。∴97-3
(f).(e) - (c) = 142809 - 142800 = 9
   この時、現実は、グレゴリオ暦が9日多い。
(g). ∴391年で、9日ずれる(前に移動する)

となりました。
391年で9日。結構な誤差です。
では、一ヶ月ズレるのはいつぐらいか、大まかに予想してみましょう。

(h).∴30日ズレるのは、391*3 = 1173年
   30日は大事。前提⑦で使用する量、また、一ヶ月も変わると、月の節氣(干支九星)が変わってしまうため

A2.case2.1173年間で考える

case1で、1173年が臭うとわかりました。約30日のズレは大変です。
では、正確に、何日ズレるでしょう?case1と同じ考えでやってみると

1173年間の
(i).閏の回数 = 97*2 + 90 = 284
  ∵ 1173/400 ≒ 2.9325。400年完全に含む回数は2回。97*2
    余りは、1173 - 400*2 = 373年。
    この373年間の閏の回数は 90 回。(∵400,496,492...,376無し。4*93=372より自明。その中から、100年、200年、300年を除く)
(j).1173年間の日数 = 1173*365 + 284 = 428429日。
(k).428429/8400≒51.003。
   ∴ズレ = 428429 - 8400*51 = 29日。

29日でした。
場合によっては30日の可能性もあるでしょう。が、まぁ、29日で考えましょう。

B.どう調整すべきか?

1173年で29日、400年で9日。どう調整しましょう?
ここでやっかいなのは
前提④〜⑦
です。冬至切り替えなら、冬至が出現する節に切り替えたい。しかも甲しばり、子午しばり。
うまいことできるんかいな?という感じです。

丸投げします。

未来の人類、頑張れ〜。

日の十干十二支九星

日の十干十二支九星は、年や月のように二十四節気に左右されません。ですから計算は楽になります、と言いたいところですが、九星以外は、です。

mj:修正ユリウス日とする
  ユリウス日は0時が0.5日となるので、修正ユリウス日の方が計算しやすい
十干 = mj % 10
  ただし:0=甲,1=乙,....9=癸
十二支 = (mj+10) % 12
  ただし:0=子,1=丑,....11=亥

九星のルール
ややこしいのが九星です。ここでは”天象学会”出版の『萬年暦』にそって話をします。(他にもルールがあるらしいですが、どういうものか知りません。)

九星は、毎日数が増える”陽遁”と、毎日数が減っていく”陰遁”があります。

 ┇
 二
 一
11〜1月のある日(甲の日)に切り替え。ここから陽遁

 一
 二
 三
 ┇
 八
 九
5〜7月のある日(甲の日)に切り替え。ここから陰遁
 九
 八
 ┇

この切り替えサイクルが180日です。

┣ 一甲子
┃     180日
┣ 九甲子
┃     180日
┣ 一甲子

ここで不都合が発生。地球の一年は365.xxxと、360日を超えています。この180日(十干十二支九星の最小公倍数だから180日)ということは、2サイクル360日で一年を数えていることになっています。これではズレが大きくなっていきます。日盤のチェンジが2月や3月になる可能性があります。(実際『萬年暦』の日盤のチェンジは5月〜7月、11月〜1月になります。)
そこで!
定期的に60日を足すことになっています。

┃     +30日七甲午 陽遁への切り替え
┃     +30日
┃     180日
┣ 九甲子
┃     180日
┣ 一甲子
┃     180日
┣ 九甲子
┇
┇
┣ 九甲子
┃     180日
┣ 一甲子
┃     180日
┃     +30日三甲午 陰遁への切り替え
┃     +30日
┃     180日
┣ 一甲子
┃     180日
┣ 九甲子
┇
┇

七三甲午が出てくる範囲を大きく見ると、8400日周期になります。

┣ 七甲午 陽遁への切り替え
┃     4200日
┣ 三甲午 陰遁への切り替え
┃     4200日
┣ 七甲午 陽遁への切り替え

夏至冬至±30日内の”甲子”を探す方法では出ません。8400日(4200日)という単位で見る必要があります。

ちなみに、修正ユリウス日がプラスになる範囲において、三碧、七赤の切替日が最初に現れるのは、 220日目 のときです。これは 1859-06-25 で、三碧の日です。

※別の問題について:
日盤切替の問題

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自分用なのでソースはざっくりしています。

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十干、十二支、九星を計算します。天文計算部分は省いています。

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